意識改革プログラム:レポート

クリスマス特別企画第2回体験科学講座が開催されました

 2008年12月24日(水)、広島大学理学研究科にて、第2回体験科学講座~女子高生特別コース~「 ―女性研究者とサイエンスを学ぶ―」を開催しました。

 事前にこの体験講座に応募した20名の女子高生が大学での講義や実験実習を体験しました。
男女共同参画推進室長の相田美砂子先生の挨拶に続いて、女子高生は白衣に着替えて、全員が実験室に移動し、コアコースに参加しました。

 今回のコアコースでは「分子の形と色~指示薬の色はなぜ変わる?~」の実験について、理学研究科助教・秋田素子先生が実験実習をしました。分子の構造とその性質(物性)やはたらき(機能)には密接な関係があり、ミクロな分子構造を適切に設計することにより、求める物性や機能(マクロな性質)を有する物質を作り出せる可能性があること学びました。そして、私たちに最も身近な物性の一つである「色」についての実験を行いました。女子高生にもなじみの深い中和反応指示薬であるフェノールフタレインとその類縁体を合成し、その構造と色にどのような関係があるかを調べました。また、合成した指示薬の色の違いを知るために、紫外可視吸収スペクトル(UV-visスペクトル)の測定を支援員の指導で行いました。

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 Aコースでは先端物質科学研究科准教授・高橋徹先生が「今年のノーベル物理学賞の話と宇宙線の観測」についてノーベル物理学賞の対象となった南部氏、小林氏、益川氏の功績をもとに、宇宙や素粒子物理学の課題と現状、および将来期待される発見などについて、講義を行いました。
 また、素粒子や宇宙物理学の実験の基礎となる、検出器の例として、スパークチェンバー(放電箱)の実演を行いました。測定対象として宇宙から常に降りそそぐ放射線である、宇宙線を実際に観測し、素粒子や放射線を身近に感じることができるようにしました。
放電箱は電荷をもった粒子の飛跡を可視化する測定器です。

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 Bコースでは理学研究科准教授・寺田健太郎先生が「月のうさぎは何歳?」と題して講義形式で行いました。「月」のもつユニークな特徴について紹介した後、アポロ計画やルナ計画で採取された月の岩石の特徴について解説があり、これらの特徴から提唱されている「月の起源(ジャイアントインパクト説)」とその後45億年に渡る「月の歴史」について概観しました。最後に、「月隕石の局所年代分析」について解説した後に実験室に移動し、実際に年代分析装置SHRIMPを案内し、年代分析の原理について紹介して、女子高生は興味深く装置を見学しました。
 
 Cコースでは濱生こずえ先生と中坪敬子先生の実習を順番に体験しました。濱生こずえ先生は細胞の形作りを制御する細胞骨格をレーザー顕微鏡で観察する実習を指導して、女子高生は共焦点レーザー走査顕微鏡を用いてHeLa細胞(ヒト子宮頸癌由来の培養細胞)のマイクロフィラメントと微小管を熱心に観察しました。細胞内での蛋白質の局在観察の方法や、固定細胞と生細胞での蛋白質の局在の観察方法の違いなどについての説明もありました。中坪敬子先生はメダカの器官形成過程を実体顕微鏡で観察する実習を指導しました。メダカの特徴である器官形成過程を実体顕微鏡で観察し、教科書にのっているウニやカエルの発生と比較しました。
サブコース終了後、全員が集合して休憩し、生徒からの質問に答えました。

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 「どうして化学を研究するようになったか?」「研究者になるにはどのような道があるか」などの質問に先生や支援員が自分の経験を紹介しながら丁寧に回答しました。最後に紫のカーネーションが配られ、泉先生が紫色について学術的な説明を行い終了しました。

 今回の体験科学講座では前回参加者からの要望を参考にして女子高生が直接実験する時間を長くしました。受講した女子高生からは「あらめて研究の難しさや楽しさがわかった」「化学の深さが分かり楽しさに気がついた」などの感想があり、実験を指導した学生からは自分たちがしていることを一般の人に伝える大切さを再認識でき、今回の体験講座の生徒の中から一緒に研究に携わる人が出てくるかもしれないと期待を感じました。


  第3回体験科学講座は生物生産学部で行われます、みなさまからの申し込みをお待ちしています。
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